離人症について

離人症経験者のメンタルコーチが語る「離人症克服法」とは

sushino

以前からたまに見ているYouTubeチャンネルがある。離人症の発信と”メンタルヘルス・自己変容コーチング”をしているRobin Schindelka(ロビン・シンデルカ)さんのチャンネルだ。

ご自身も離人症から回復した経験がある。今回は彼女のオススメ動画を紹介する。

離人症を「怯えるウサギ」でたとえる

YouTubeの仕様と思うが、日本語自動翻訳の字幕がONにできる動画とそうでない動画がある。

こちらの動画は日本語字幕をONにすることができる。離人症への向き合い方をメタファー(比喩)で表している動画だ。

▲画面が揺れてて酔いやすいので注意
話の概要

たとえば、トラウマを負って怯えている小さなウサギがいるとします。外の世界は怖すぎて、地面に穴を掘って隠れています。

あなたが「解離や離人症はダメだ」と思ってそのウサギを引きずりだそうとしても、ウサギはもっと深く掘り下げなければと感じます

あなたが実際にすべきことは、ウサギと一緒に穴に入り「一緒にいるよ。出なくても大丈夫だよ。もし出たいときはあなたの手を握り、愛情をこめてあなたを導くよ」と安心させること。

ウサギは安心し、認められていると感じることで、準備ができたら自然に這い出ていくでしょう。

シンデルカさんは「不安の受容」をよくテーマにしている。

不安や恐れや離人感を敵視して拒絶するのではなく、なぜ怯えているのかを理解し、その感覚を受け入れること

現実は比喩のようにうまくはいかないものの、納得できるよくできた例えだと思う。

離人症を克服した話

彼女のチャンネルには離人症を克服した人たちのインタビュー動画がUPされているが、彼女自身も離人症を克服した過去がある

こちらは残念ながら今のところ翻訳機能がうまくいっていないが…。

▲翻訳が変なのは、原語が英語ではなくオランダ語に設定されてしまっているため(シンデルカさんはベルギー人)。
話の概要

哲学を学んでいた学生時代、人生や生死について学んでいて、死ぬことに対してとても強い不安に襲われることがありました。ある日、はじめて不安発作を起こして、そこから現実感を失いました。

実際に私はどうやってこの不安から抜け出したのか? それは真正面から不安を見つめることでした。

私は瞑想を始めました。恐怖から逃げるのではなく、恐怖を受け入れることにしました。

不安と激しく戦うと、大きなストレスが生じます。体はそのストレスに反応して、「戦うか逃げるか」の状態になってしまいます。

受容とは、あなたの内側や外側で起きているすべてのことに抵抗するのではなく、それをそのまま受け入れることです。

まず、息を吸いながら「自分の恐怖を感じている」と意識します。息を吐きながら「恐怖がここにあってもいいんだ」と認めます。息を吸いながら「自分の恐怖に気づき」、息を吐きながら「その恐怖を受け入れる」のです。

つまり、恐怖を意識的に瞑想しながら、それを受け入れていくのです。ストレスや不安を解消する唯一の方法は、それらを受け入れることなのです。

ここでも彼女は「不安の受容」を語っている。私たちは不安感が不快で、それを拒絶しようとする。不安から気を逸らすためのアドバイスも他の人から受けることがある。

私がこの考えを知って実際にやってみたことがある。それは、ためしに「あ~不安だ~」と思ってみることだ。すると、なんかうまくいえないけど「体が納得してる感」が湧くのだ。

言ってること伝わりますかね? わざと「私は不安だ、不安でいっぱいだ」と思ってみて、不安で体を不安で満たしてみたほうが、イライラする感じが減るというか。

これはおそらく「不安の正体に向き合ってる」「自分の訴えを聞いている」ということだろう。

哲学とスピリチュアルへの言及について

この動画で彼女はスピリチュアルな気づきについても多く話している(彼女はスピリチュアルコーチでもある)。死の恐怖についてスピリチュアルな観点でも救いがあったと。

それに、死の恐怖に陥ったのは哲学を勉強していたからで、PTSD等のことは語っていない。だから、このブログを見に来ている当事者には参考にならない部分もあるかもしれない

彼女が離人症になったのは数ヶ月間の出来事だし、離人症克服者インタビューの中には麻薬の副作用で離人症になった人たちも登場する(海外あるある)。

ただ、彼女にも麻薬使用者にも共通するのは「不安」である。彼女が恐れたのは「死」だった。それは私にも通じる。私には死恐怖症(タナトフォビア)があって、それも解離が治らない一因だ。

正直、治ればスピリチュアルでもなんでもいいと思っている。誰かがそれで誤ったトラウマ知識とかを流布するのが嫌なだけで、その人や私の不安が救われて健康になればスピリチュアルでもいいと思う。私も、もしかしたらこの先スピリチュアルで治るかもしれないし。

離人症の症状自体がスピリチュアル現象や哲学上の話じゃないですよってことをわかってもらっとけばいい。

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まとめ

私は彼女の動画を全部見ているわけではない。というか、たま~にしか見たことない。だから詳しくないんだけど、他の離人症発信者の動画と比べて、中身があることを言ってるように感じる。上辺の受け売り文句じゃないというか。

もし彼女の瞑想が気になるという方はこの動画とかおすすめ。私は瞑想あんま得意じゃないんで、たまに睡眠BGM程度に流してみるだけだけど…。

▲日本語字幕できるけど、目を開けて見てないといけないか…。日本人のやつもなんか探してみます。

この方の瞑想動画は他にも複数、テーマ別に存在する。

興味のある方は、ぜひRobin Schindelkaさんのチャンネルみてみてください。

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すしの
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離人症当事者
離人症と緊張に悩む人。 Xアカウントで離人症の不満とかを発信。
Kindleにて漫画とエッセイをセルフ出版している。

【漫画】『離人症のおはなし』『離人症のおはなし②』
【エッセイ】『離人症です。』『精神科とカウンセリングに通ってみた話。』
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