芸能人の離人感?かもしれないエピソード集

「離人症を経験 or 克服した芸能人や有名人はいないのか?」
これは私も調べたことがある。情報や救いを求めて。「私も離人症だったけどこうやって回復しましたよ」と聞きたくて。支えにしたくて。だが、私は離人症を告白している日本の芸能人や有名人をいまのところ見つけていない(海外はわからないけど)。
でも「離人感・現実感消失っぽいエピソード」を語った4組の芸能人を私は覚えている。
ただ、彼らの体験を「離人感」「離人症」と私が決めてしまうのはいけないので、あくまでちょっとそれっぽい体験?をした人だと、参考程度にしてほしい。
(※当記事は症状等の断定を避けるよう配慮しましたが、問題がある場合はお知らせください。)
爆笑問題 太田光さん

まず、参考にしているのはこちらの2記事である。
- 爆笑問題・太田光「きっかけさえあれば…」 “もう、死んでもいい”から立ち直った経験を告白【川崎殺傷事件】
- 「つらければ逃げればいい」――爆笑問題・太田光にとって生きることは居心地のいい場所を探し続けること #今つらいあなたへ
以前、Xの投稿でこれらの記事の内容をまとめたことがある。
太田光さんは高校生の時に何に対しても感動できなくなってしまい、ものを食べても味がしない時期があった。
ある日、美術館でピカソの『泣く女』を見た瞬間、一気に感動が戻ってきた。「表現ってこんな自由でいいんだ、自分の感覚もまんざら捨てたもんじゃない」と思えた。心を動かせた自分を好きになり、自分も「表現」をしようと思えた。
「この絵はよく分からないむちゃくちゃな表現だけど、世界の人々に評価されている。そして自分も同じく感動できた。自分も表現してみよう」と自信が芽生えた。絵に感動できた自分を好きになった。
私の想像では「自分の感覚が自他共に認められた」という感覚がしたんだろうと思う。「無秩序な自分のままでも面白がってもらえるかも」という自信ができたのではないか。
太田さんの「感動できない、食べ物の味がしない」はもしかしたら離人感でなく鬱方面なのかもしれない。でも、「感動できなくなっていたところに自分を取り戻すモノに出会えた」という話には希望が持てる。

以下、再び私のXから。
ここからは私の感想。結局、「認められること」を渇望するのが人間だと思う。「認めてほしい」と素直に口にするとカッコ悪いから言えないけど。なぜ認められたいかというと「自分は生存してていいんだ」と群(むれ)に認められた安心があるから。
「現実感の回復には自己肯定感が必要」と言われたことあるが、「自分の感性は正しい」と思えることは強力なことだろう。
「自分の生き方が興味深いと思ってもらえるのでは」「自分の感想は正しいのでは」「自分の感性には価値があるのでは」と思えると強い。
私も「無秩序」の表現を見ると安心を覚えることがある。むしろ頭の中が整う。無秩序の表現には「明確にすべき」「整然とすべき」というプレッシャーがない。それは「存在の許され」を感じているからなんだろうな。
ところで、脳科学の言葉には「Awe体験(オウたいけん)」というものがある。
Awe体験とは、大自然や大宇宙の悠久さや広大さを前に、自分の存在や小ささを感じる体験のこと。Awe体験をしているとき、脳が活性化していることが様々な研究からわかってきている。脳科学者の岩崎一郎が島皮質を鍛える具体的な方法「脳磨き」の一環として提唱した。
ー Wikipedia 『Awe体験』 日本版2021年10月10日 (日) 12:15 版

これはアートに圧倒される体験も当てはまるとのこと。
ここで出てくる島皮質(とうひしつ)は、感覚情報と情動を統合する脳領域で、脳全体をバランスよく働かせる中継地らしい。
『夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす』(池谷裕二)という本では「島皮質がうまく活動しないと現実感を喪失する」いう話もされている。
私がネットで少し調べたところによると、島皮質の機能を高めるものにはAwe体験のほかに「利他的行動(他者への共感に基づくもの)」などがあるらしい。
つまり、人に優しくして自己肯定感を高めるみたいな感じなんだと思う。
太田さんの体験がAwe体験なのかはわからないが、関連として記しておく。
チョコレートプラネットのお二人 & 宮下草薙の草薙さん

こちらも私のXから。
チョコプラがKOC決勝でスベった時に2人とも「魂がズレて、動く自分を斜め後ろから見ていた」的なこと言ってて、周りの芸人さん達も共感していた。
前にも宮下草薙の草薙さんが、さんまさんに話振られた時に自分の体から離れた感覚になったと言っていた。やっぱ急激にストレスかかると、誰でも離人感みたいなの出るよね。
両方、アメトーークでの発言だ(『賞レース2本目やっちまった芸人』『さんまvs売れっ子若手芸人』)。
正確にどういう言葉を使っていたか覚えてないので、私の表現と結構違ったらごめんけど。
大勢のお客さんや全国のお茶の間に向かって自分を表現する人たちには、急激なプレッシャーがかかることも多いだろう。チョコプラの話に対して、周りの芸人さんたちが「あるある!」みたいな感じで共感していたのが印象的だった。
木村カエラさん

歌手でモデルの木村カエラさんは「不思議の国のアリス症候群」っぽい感覚について語ったことがある。と、聞いたことがある。
今回調べてみたら、TBS「オトナの!」という音楽番組で「親指がすごく大きくなって、部屋中が親指になるような感覚」と語ったようだ。
その感覚はよく分かる。離人感とは違うものの、とても奇妙な感覚で、私は疲れた時やショックを受けた時になる。
私の場合は親指じゃないけど、片腕だけ何倍もでかくなったり、体全体が巨大化して家を突き破ったりする感じがある。
そんな「自分ゲシュタルト崩壊」感は、離人感と共通だ。
というわけで、他にも現実感消失っぽい体験をした芸能人の方々がいるかもしれないが、今回は私が覚えているエピソードを紹介してみました。
