離人症体験談

みんなの「離人症が治った方法」を集めてみた。【離人症の治し方】

sushino

私はこれまでXアカウントにて離人症が治った人たちの話を聞いてきた。そして、日本や海外の離人症克服者の動画もちょくちょく見てきた。

そうやって聞いてきたことを書いていこうと思うが、注意点が2つある。

①本人が「これで治った」と思っていることと、実際に何が要因で治ったかというのは一致しない可能性がある。

治し方を人に聞いておいて申し訳ないが、本人が「そういわれたらコレで治ったかな?」くらいのこともあると思うので、その人の心当たりや考察によるものと覚えておいてほしい。

②集計はしてない。データや数値、根拠は用意してない。また、脳科学・神経学観点からの話もしてない(できないから)。そこは、論文を調べることのできる人たちに任せる。

あと、具体的な療法の話はほとんど登場しないし、私感がたくさん入っている。

みんなの治った方法紹介

薬で治った

薬の内容は様々抗不安薬、抗精神病薬、抗てんかん薬、ADHD治療薬、漢方薬、あるいはサプリメント。離人症治療薬というは今のところ存在しないので、離人症以外の症状に対する薬が処方されているということになる。

メンタルの症状同士は繋がっているものだと思う。たとえば私は緊張が緩むと離人感も緩む。その人が困っていることが治ってくれば、離人感も良くなってくるのかもしれない。

ストレスを遠ざけた

人間関係を変えた、職場を変えたなど。

ストレスの元になるものから物理的に離れることは、離人症に限らず重要なことで、メンタルヘルスとして最初に検討すべき対策だろう。

環境が変わった

これは前項の「ストレスを遠ざけた」と重なる部分もある。環境が変わったから人間関係のストレスが減って、その結果治ったという話も聞いた。それから、忙しくしていたらいつの間にか治っていたという話もある。

過剰な自己注目をする余裕がなくなって、イヤな反芻思考が止んできたということだろう。忙しくはあるが、解離的な脳の負担は減ったということだ。何事においても「必要に迫られる」というのは大きなチャンスであると私も感じる(あまり無理ない範囲なら)。

だからといって、「わざと忙しくする」のは結構難しい技じゃないかなと思う。それとも、私がやる気になれないだけで皆はできるのか?

時間経過

なぜかはわからないけどいつの間にか治ってた」という人たちもいる。

気づいたら治ってたとか、ある時パッと一瞬で治ったとか。単に時間経過で元気になっただけかもしれないし、ここまで書いた項目や他の要素に当てはまっていたという可能性もある。

気にしなかったら治った

これはちょっと真似しがたいと個人的には感じる。「気になるものをがんばって気にしないにようにする」というのは実際なかなかムリがあると思うからだ。

「もう気にしないようにする!」と言うのは簡単だけど「やっぱり気になって仕方ない、気にせざるを得ない」というのが普通だ。

「気にしなければ治る」は離人症を治すメソッドや克服談としてネットによく登場するが、実際には多分出会ったことない。私に直接「気にしなかったら治りました」と教えてくれた人はいない。

とはいえ「気にしなければ治る」が全く的外れということでもないと思う。「離人感を気にしなくて済むような状態になれば、治る」は本当なんじゃないかと感じるからだ。

つまり「気にしなくなったら治った」という言葉には「離人感を気にせずにいられるくらいまでメンタルが回復した」「そんなに気にしなきゃいけないほど離人症が重くなかった」などの意味が隠れているんじゃないか、と。

先述の「忙しくしていたらいつの間にか治っていた」にも当てはまるのでは。

ちなみに…

「気にしなければ治る説」は海外の動画でよく聞く。しかし気をつけてほしいのは、海外では大麻をはじめとするドラッグで離人症になった人の体験談も多いということだ。

日本だとそういう離人症の情報はほぼ引かずに済む。

ただ、彼らもドラッグの副作用による「不安」から離人症になるらしいので、不安をどうにかしたほうがいいという点は他の人と同じだ。

その他

音楽療法、瞑想、ストレッチ、栄養、ホメ療法、スピリチュアルなどあった。私も人から聞いた方法をいろいろ試したけど、好みの問題か、しっくりこなかった…。

結局、自分が好きなことや関心があることに夢中になったり没頭できたら心の健康に繋がるのもあると思う。反芻思考を減らせるし、自己肯定感に繋がるからだ。仕事にやりがいを見出したら治ったという人の話も聞いたし。

あとは、とある解離性障害の本には、結婚して治ったという人の例が複数載っていた。「そんな簡単に言うなよ」という意見は正しい。「結局は理解のあるパートナーかよ」とイヤになる人もいると思うが、結局、パートナーの存在はあなどれないと思うのだ。

自分が元気になるためにパートナーを作るというのは、個人的にはアリだと思ってる。結局、普通に付き合うのも「ソイツと一緒にいて自分が嬉しくなりたい」からだし。逆に、相手のためだけに付き合うっことそうそうある?

それに関連して、私はいま↓の本が気になっている(まだ読んでない)。

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晶文社
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タイトルは『好きで一緒になったから──死にたい私でも恋愛・結婚で生き延びる方法』。

紹介文によると「炎上覚悟であえて言う。恋愛・結婚は、障害や生きづらさを抱える女性のセーフティーネットである」「発達障害当事者を妻に持つ鈴木大介と、生きづらさを抱える石田月美が、”障害とパートナーシップ”を、とことん突き詰め、導き出した答え。」とのことだ。

そのうち読みたい。どんなことが書いてるかは知らないが、とりあえず、こうやって言いづらいことを言うコンテンツには価値があると思ってる。

”離人症の治し方”に対する考察

「意識が自分に向きすぎなくて済む」ということ

離人症を作り出しているものとして、私は「自分に意識が向きすぎている説」を結構推している。怖いことや危機があるから自分を見張り続けなきゃ、警戒しなきゃ…と。そして、考えや頭のグルグルが止められない。気が緩むといけないから。

そこらへんの力を抜くのが、安心や、学習や、忙しさとかだと思う。

離人症以外の要因に着目する

いろいろ言ったけど、離人感を意識しすぎるのは確かによくないだろう。でも仕方ない。

ただ、それ以外の鬱とか、緊張とか、他の症状で対応する薬や療法があれば、そっちの解決を優先するのはとても良いと思う。回り道と思っていたものが近道であるかもしれないし。

結局、薬で治ったら一番早いよね

とはいえ結局、薬で治ったらいいよね。だって、考え方や何かの工夫で治すってしんどいし、途方もないことに思えるもん。

別に自分の生活や性格を見つめなくたって、過去を見つめなくたって、薬を飲んで楽になったなら一番早い。そこから、生活や性格や過去に向き合いたいだけ向き合えばいいもん。

だから専門家や研究者の方々、よろしくお願いします。

私の最近の離人感

これはあくまで私に向いてるなって話なので、ほんの参考程度にしてほしい。

フラッシュバック対策用の漢方(神田橋処方)と、ADHD治療薬は、私の”興味・関心”と”頭の整理”を向上させていると思う。以下に詳細を書く。

興味と関心の回復

興味と感心については、神田橋処方が効いている。

神田橋処方はフラッシュバック対策の漢方だが、別に「フラッシュバックに効いてるな~」という自覚はない。そもそも私にわかりやすい派手なフラッシュバックは少なく、無意識に”感情のフラッシュバック”だけをし続けているような感じだ。具体的には、なぜかソワソワや緊張や落ち込みが止まらない

自分が好きなことややりたいことは前からあった。でも、複雑性PTSDや解離のせいかそれがゴチャゴチャしてうまく拾えなかったというか。「これだよねこれ!」という”好き”の対象がボヤッとしてて、明確化・精鋭化できなかった。

今思えば初めて離人症の漫画を描いた当時、神田橋処方を飲んでいた。実はそのあと「やっぱりあんま効果ないかな?」と飲むの止めちゃったんだけど、服用を再開したら、今度は新しい趣味ができたり、サイト作りできるようになった。

頭の整理

頭の整理については、これはADHD治療薬(ストラテラ)が効いていると思う。

とにかく私は落ち着きがない。頭がゴチャゴチャ、イライラしている。頭の中、本当にうるさい。片付かない。ストラテラを飲みはじめてからはそれが少しマシになっている気がする。ほんと、少しだけど。

なんかね、頭の整理もそうだけど、”常識”が前よりわかるようになったんだよね。これ伝えるの難しいなぁ。世の中の仕組みというか、何のためにこういう行動を取るのかとか、普通はみんな生きてきてなんとなくわかってきたことを、私は今になって理解したみたいなね。それも頭の整理ということだと思う。

ただ、どこまでが神田橋処方のおかげで、どこからがストラテラのおかげか、はっきりわかってはいない。私はとにかく薬が効かない(or 自覚できない)タイプなので、そのうち「ストラテラやっぱりやめて別の飲んでます~」みたいなことになってるかもしれない。

一方で…認知能力?の低下

興味・関心や頭の整理が向上した一方、認知的な能力、つまり意識のボヤボヤ度はひどくなっていってる気がする・・・気がするっていうか、ひどくなってる・・・。

「ここはどこ?私はだれ?」のやつ。解離性健忘っぽいのかな。ずっと脳に負荷かけてる影響なんじゃないかと思ってるよ。体力の衰えもあるし。

なんかちょっと危ない。ハッと怖くなる。今どこで自分は何をやっているのか、よくわからなくなってくる。

外出先から、ちゃんとこのまま家に帰れるのかなみたいな心配をすることがある。深く眠りたい。脳と体、休まりたい。

おわりに

そういうわけで「皆の離人症が治った方法」でした。

もしよろしければ、「離人症が良くなってきた」とか「寛解した」という方はそのお話を教えてください。XのDMでも、このHPのお問い合わせページでもいいです。みんなの離人症体験のページ増やしていきたいので。

ではまたお会いしましょう。関連記事もぜひご覧ください。

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ABOUT ME
すしの
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離人症当事者
離人症と緊張に悩む人。 Xアカウントで離人症の不満とかを発信。
Kindleにて漫画とエッセイをセルフ出版している。

【漫画】『離人症のおはなし』『離人症のおはなし②』
【エッセイ】『離人症です。』『精神科とカウンセリングに通ってみた話。』
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