離人症は”楽しい”のか? 離人感が「ふわふわして気持ちいい」と思う人の心理

Xで離人症のことを検索すると、「離人症になると楽しい」「またなってみたい」という人たちが一定数います。そこで、離人症がなぜ「楽しい」と感じるのか?ということについて考えてみました。
離人感はなぜ”楽しい”のか

トリップ感・非日常感があるから
「フワフワして面白い」「サイケデリック感が気持ちいい」「いつもはない特別な体験」…そういった感覚が「楽しい」と感じさせるのかもしれません。
実際、Xで「離人症にまたなりたい」と言っている方は、そんなトリップ感・非日常感のことに触れている方が多い印象です。
辛さから逃れることができるから
そもそも離人感はストレスから起こることが多いです。体や心の疲れ、急激なストレスを覚える出来事などから離人感は生じます。辛さから身を守るために自分の感覚をボーッとさせるのです。
なので、現実の辛いことから逃げられた解放感、一時的でも辛さと向き合わなくていい”楽”な感じが「楽しさ」を感じさせるのかもしれません。
自己防衛から陽気になっていることも…
私に初めて離人感が出たとき、”私が眺める私”はとても陽気に喋っていました。こんなにお喋りな人だったっけ、みたいな。
人間は、本来の感情や衝動があまりにも受け入れがたいとき、明るくふるまったりハイテンションになったりすることがあります。それがイコール離人感というわけではないのですが、つらいときは、反動的な感情と離人感が同時に起こっていたりするかもしれません。
楽しいのは”一時的で済んでいる”からかも

離人感を「楽しい」と思えるのは、あくまでそれが「一時的」または「軽度」で済んでいるからかもしれません。離人感が慢性化や重症化し、日常生活に支障をきたすレベルになると「離人症」と診断されたり、「楽しい」どころではなく苦しみや孤立感が強くなる可能性があります。
私は、離人感は”デジャブ”に似ているなとよく思います。目の前のことに”あれっ?”と違和感を抱く感じ、あれはすぐに消えていくからいいですが、もしそこから戻ってこれなくなったとしたら怖いですよね。
一過性にしても慢性にしても、私個人としは、離人感で”楽しさを失う”人のほうが圧倒的に多いと感じています。
離人症のことを知るには

病院で離人症のことを話してみる
離人感の症状はまず精神科や心療内科で話してみることをおすすめします。ですが、精神医療の関係者であっても離人感や離人症について詳しいという人はあまり多くない印象です。
HPに離人症の解説を載せている病院やカウンセラー、あるいは整体院のような場所でも、離人症に本当に詳しいかは別問題だと思います(個人的な視点ですが、アクセス数のためにあらゆる病気の解説を網羅している場合もあるかもしれません。)
離人症は解離性障害の一種なので、解離性障害に詳しいお医者さんや、離人感の原因になりうるトラウマや複雑性PTSDに詳しいお医者さんがいいと思いますが、見極めも難しいです。
解離やトラウマについて著書を出されている専門家の方々もいます。以下のページでも少しご紹介しております。

当サイトもご参考に
私は専門家ではありませんが、当事者としての感覚を綴ったり、他の当事者の方々の声を集めたりしています。いくつか記事を貼りますので、参考にしていただければ幸いです。



離人症へのイメージについては、こちらの記事でも書いています↓

まとめ
- 離人感を「楽しい」と感じる人も一定数いるが、それは一時的・軽度な体験だからかもしれない。
- 離人感が“楽しい”理由として考えられること:
- トリップ感、サイケデリックな感覚、非日常性があるため
- 現実からの逃避ができ、一時的な解放感が得られるため
- 自己防衛のために陽気さが表に出ることがある
- 離人感が慢性化・重度化してくると「楽しい」とは言えない状態になり、「離人症」として苦しむ人が多い印象。
離人感を“楽しい”と感じる背景には、脳や心が必死に自分を守っているサインが隠れていることもあります。本質的な理解と、適切なケアを受けることが大切だと思います。

